みなさま、こんにちは。先日開催しましたAI流通革命3.0研究会ウェビナー「リテールメディア・販促」についてご報告させていただきます。
最初に、「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。
続いて、「米国リテールメディア戦略の最前線」と題し、リテールストラテジスト 平山 幸江様よりお話いただきました。米国リテールメディア市場動向では、デジタル広告は5年間で2倍、チャネル別市場シェアも約1.7倍でソーシャルに拮抗していることをご報告いただきました。また、デジタルRM広告は依然アマゾン優位は変わらず、店舗メディアでのリーチに期待が高まっている事が分かりました。米国リテールメディア戦略の事例として、ウォルマートコネクト、アルバートソンズメディアコレクティブ、セブンイレブン、ガルプメディアネットワークの事業内容を詳しくご紹介いただきました。米国ではリテールメディアへの期待が大きい一方で、課題にも目を向け、解決策を模索しており、主に4点、重要なポイントをまとめていただきました。
次に、「リテールメディアと販促領域のリテールDXについて」、株式会社博報堂プロダクツ リテールプロモーション事業本部 リテールテクノロジー部 リテールデジタル プロデューサー 篠田 美浩様にお話いただきました。総合制作事業会社として「できないことはない」という言葉が大変力強く、店舗データを見える化し、タイミングよくお客様に情報をお届けする仕組みを総合的にサポートできる体制をご紹介下さいました。リテールメディアを、「買い物行動を促すための手段」として優先的に位置づける事を示され、取得可能情報をもとにした店舗データの利活用で、メディアとしての価値づくりを体系的にお話いただきました。
続いて、「アプリを活用した販促とリテールメディアについて」、メグリ株式会社 代表取締役 田代 健太郎様にお話いただきました。日本国内での拡大予想として、リテールメディア広告市場規模推計・予測(2021-2026)出典:「CARTA HOLDINGS、リテールメディア広告市場調査を実施」(株式会社CARTA HOLDINGS)より、国内のリテールメディア広告市場は2023年には245億円、2026年には805億円規模に拡大すると予測されるとの事です。背景として、サードパーティクッキーの規制が挙げられ、企業が持つファーストパーティーデータの価値がより高まっている機運を感じました。またリテールメディアがビジネスとして、どのような将来的構造が考えられるか、収益化の観点から、具体的な事例と提言をいただきました。今まさに、ファーストパーティーデータと購買に近いタイミングでの接点となるリテールのオウンドメディアに注目が集まっており、リテールメディア参入へは、顧客にとってよりよいアプリの提供が近道であると、まとめてくださいました。
休憩を挟んで、「スマホアプリで生み出す新しいお買い物体験」と題し、株式会社物産フードサービス デジタルマーケティングカンパニー カンパニーCEO 鶴本 克也様にお話しいただきました。取り巻く環境の変化として、お買い物の変化、インターネットが生活に与える影響、スマホ(携帯電話)の浸透、情報との接触方法、決済方法、消費の変容について、グラフを用いてご説明くださいました。特に消費の変容について、博報堂生活総合研究所が提示する、高齢化ならぬ「消齢化」という新たな社会像は、とても興味深かったです。年齢による生活者の価値観や嗜好の違いが小さくなる社会を言うそうで、マーケティングにおいても、個々人の生き方が固定から可変に変わり、価値観や趣味嗜好に着目したマーケティングの有効性が増すため、人口統計学的な属性「以外」の様々なデータが必要になるとの事でした。また、リテールメディアの幻想という項では、幻想と現実との乖離について非常に生々しく触れられ、誰もが深くうなずく内容でした。その乖離を埋めるための解決策もまた、とても具体的で、示唆と発想に富んだ内容で、とても面白かったです。
その後、「リテールメディア・販促の総括」を、大久保よりお話をさせていただきました。
まず、販売促進の目的をはっきりと、明確にする事に触れました。「小売業の利益率を上げたい」というのが、大久保のライフワークです。販売促進においても、売上、粗利益の向上は最重要であり、売上については特に3つの視点を明示、粗利益においては、低粗利率商品がカニバリを発生させる状況に触れました。また、販促においても、「お客様のため」という前提のもと、その「お客様のため」を楽しく効率的に実現するためにも、「論語とそろばん」の合わせ技が、非常に重要である事をお話しました。商品の視点からも、具体的に、何を、どのように販促するか、大久保が実体験から導き出した経験則を皆様にお伝えしました。
以上ウェビナー終了後、意見交換会を実施しました。これまで参加者様からいただいたアンケートを元に、Zoomの投票機能で興味のあるテーマを募集し、投票の多かった「人員人材不足。現場のモチベーションの低下と危機感の低さ」や「固定客(ファン)を増やす具体策」について、大久保からお話をしました。また、参加者様から直接、質問やチャットでメッセージをいただき、ライブでお答えさせていただきました。ご送信いただきました皆様ありがとうございました。
最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。
次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加いただき、ありがとうございました。