みなさま、こんにちは。先日開催しましたAI流通革命3.0研究会ウェビナー「業務効率化」についてご報告させていただきます。
最初に、「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。
続いて、「店舗における各種チェック業務の効率化について ~従来業務の工数を1/3に削減!~」と題し、株式会社サトー 営業本部 リテール市場戦略部 石田 康晃様にお話いただきました。賞味期限チェック、プライスチェック、温度管理(記録)作業を効率化する方法について、OCRとデータベースを用いた最新の解決方法を、実際の導入事例と削減時間を用いてご紹介いただきました。これまで人海戦術で実施されていた時間も手間もかかる作業が、非常に簡単なハンディ操作で、大幅時短できることが分かりました。効率化はもちろん、現場の負担を大きく減らす事ができる点が、大変魅力的でした。またHACCP CLOUDによる温度管理は、食品を取り扱うスーパーマーケット業界において、必須の巡回記録をより正確に、部分自動化することができ、設計にも現場に対する深い理解が感じられ、ニーズに応える実効性と効果が非常に高いソリューションだと感じました。
次に、「ストアオペレーションを効率化するDX・AI活用の第一歩―業務効率を上げた シェアNo.1アプリ Buddycom(バディコム)―」と題し、株式会社サイエンスアーツ 事業本部第2営業部 髙橋 莉乃様にお話いただきました。軽量でとても小さなインカムアプリの導入事例をご紹介いただき、現場の方が、直感的に操作でき非常に使いやすそうだった事がとても印象的でした。スタッフ間での質問のしやすさや、コミュニケーションの取りやすさが、お客様への接客品質向上に直接繋がることが感じられました。また、多言語対応されており、外国人スタッフが増加する小売業界において、非常に高いニーズが感じられました。将来的にはChatGPTを活用し、社内のマニュアルとも連携できるようにするカスタマイズ環境の開発を検討されているとのお話もあり、現場のニーズに、より高い次元で応えられるサービスが提供されるのではと、期待が高まりました。
休憩を挟んで、「小売業界向けChatGPT活用法:基礎知識と実践プロンプトのご紹介」と題し、NOVEL株式会社 代表取締役 岡田徹様にお話しいただきました。ChatGPTを使用する際の基本として、プロンプト(指示文)の内容を明確にし、5W1Hを意識しながら、一度で正しい回答を求めず、修正と再試行を繰り返すことが大切、だということが分かりました。また、実際に指示文を作る際のコツとして、ChatGPTに役割を与え、出力例を伝え、ガイドライン・制約条件を設け、文脈を指示する方法をお伝えいただきました。ChatGPT概要を網羅したご説明が非常に分かりやすく、小売業で使えるChatGPTへの指示文(プロンプト)例を数十個ご用意いただき、資料をご提供いただきましたので、さっそくコピーアンドペーストで使いたいと思います。
続いて、「あらゆる書類をAIが自動でデジタルデータ化!入力業務を大幅削減する AI-OCR 活用法をご紹介」と題し、AI inside 株式会社 Direct Sales Division / General Markets Unit Manager 大鐘 幹也様よりお話しいただきました。これまでのOCR機能に加え、AIを活用した、より精度の高い、様々なフォーマットに対応可能な具体例をご紹介いただきました。小売業界の活用例として、特に煩雑な注文書や売掛金の突合作業が、AI OCRで大幅に作業削減できることが分かりました。データ化が求められる昨今ですが、多種多様数な商品を取りそろえ、数多くの卸様、メーカー様、生産者様とのお取引があるスーパーマーケット業界では、FAX発注や紙面の注文書がいまだ少なくありません。そういった現実的な問題に対応できる、とても助かるソリューションだと感じました。また、パートやアルバイトなど、採用件数も多い業界であることにも注目され、人事管理にも活用できる事例をご紹介いただき、業界特性に合ったご提案をいただきました。
その後、「業務効率化」と題して、大久保よりお話をさせていただきました。スーパーマーケット業界において、店の人件費は大変大きく、ケース単位発注や、EDLP化、フルセルフレジ化など、取り組める部分は非常に多いと例を挙げました。また、MD業務の事務作業の効率化も今日ご紹介いただいたソリューションで、解決可能であるとお伝えしました。さらに、受発注業務に関しても、生鮮も含め、流通BMSで作業効率化は必ずできることを改めて述べました。また、日本の小売業界において、店舗人件費がまだまだ高すぎると指摘し、人時数コントロールの必要性を改めて強調しました。業務効率化で、売上ではなく営業利益上げ、システム投資をし、デジタルマーケティング業への変革を成し遂げることが、これからの小売業界では必須であるとお話しました。
ウェビナー終了後、意見交換会を実施しました。これまで参加者様からいただいたアンケートを元に、Zoomの投票機能で興味のあるテーマを募集し、投票の多かった「人材育成への投資と、システム投資への配分割合」について、大久保からお話をしました。また、参加者様から直接、質問やチャットでメッセージをいただき、ライブでお答えさせていただきました。ご送信いただきました皆様ありがとうございました。
最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。
次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加いただき、ありがとうございました。