10/18「データ分析とネットスーパー」ウェビナー開催報告

みなさま、こんにちは。先日開催しましたネットスーパー実行研究会ウェビナー「データ分析とネットスーパー」についてご報告させていただきます。

まず最初に「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。続いて、「ネットスーパーの黒字化」について、大久保よりお話ししました。
ネットスーパーには、忙しく買い物に行く時間がない、買物をする頻度を下げたいから保存できる食品がいい、忙しいから簡単に調理できるものがいい、等の顧客ニーズがあることを再確認しました。これらのニーズに応える事業モデルとして、日本のコンビニ業態の繁栄が参考に挙げられました。日本のコンビニエンスストアは売上規模も大きく、営業利益率も高い上、多少価格が高くても売れるという実態があります。ネットスーパーも同様に、ニーズに応えながら、高い営業利益率を維持することが重要である事を認識しました。営業利益率が高ければ、商品開発、出店投資、情報システム投資、教育に対する投資等の前向きな投資が可能となります。営業利益率を上げる=ネットスーパーの黒字化の具体的な施策として、コストの受益者負担、OMOでの相乗効果、価値の創造とデジタルマーケティング業化、フルロード経費負担、PL構造と生産性指標、販促の適正化、会員獲得の効率化、粗利率アップ策とリテールメディア等、各ポイントについて、非常に具体的な施策が示されました。ネットスーパー事業を、従来の店舗事業の延長上ではなく、新業態として捉え、かつ、店舗事業との連携・相乗効果も高めながら、事業モデルを確立していくことが重要だと感じました。

続いて、「ネットスーパーの会員獲得、分析事例」と題し、楽天グループ株式会社 スーパーマーケットOMO/DX事業大井英之様にお話いただきました。ネットスーパー事業の開始に際し、システムの構築から顧客獲得、その後のサポートまで、導入までのステップや事例に富む情報をご提供いただきました。

休憩を挟んで、「最新ネットスーパートレンド」と題し、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集長の阿部幸治様にお話しいただきました。コロナ後のネットスーパーに対する消費者の認知についてのレポートが示され、依然、ネットスーパー需要は引き続き高まっていることが確認できました。また、北海道における新旧ネットスーパー進出企業の変遷を参考に、Amazonとの連携組や、後発組の特色や進出状況を知る事ができ、ネットスーパー事業の戦略立案の参考になる内容でした。また、リテイルメディアについては、ネットスーパーへの広告出稿が増加傾向にあることが分かりました。ただ、まだまだ日本ではネットスーパー広告の規模が小さいとの事で、今後標準化や、リテイルメディアネットワークの構築が待たれる状況であることをご共有いただきました。

続いて、「ヨーロッパのネットスーパー最新事情(13)~ネットスーパーの周辺動向:キーワードはローカル~」と題し、リテイルライター太田美和子様よりお話しいただきました。位置情報と在庫情報を繋ぐアプリによって、顧客へタイムリーな情報提供と在庫確認が可能になり、ローカルにおける利便性の事例が示されました。システムによる利便性の向上は、サービス利用の付加価値に直結していくと実感しました。

そして、「米国食品小売業界の最前線レポート」と題し、リテールストラテジスト平山幸江様よりお話しいただきました。ウォルマートの新店舗フォーマットを店内写真とともにご紹介いただきました。QRコードを活用したオムニチャネル仕様や、什器の配列、セルフレジ周りの導線が、とても参考になりました。また、本来は、店内の安全確保や、液漏れ商品の発見が主な目的だった巡回ロボットが、陳列在庫や価格確認など、店内在庫管理ロボット発展した事例はとても興味深かったです。また、生成AIを活用した、カスタマー体験向上事例や、社内業務効率化の事例等が非常に参考になりました。

その後、「データ分析とネットスーパーの総括」と題して、大久保よりお話をさせていただきました。ネットスーパーの事業モデルは、データ活用の宝庫であり、デジタルマーケティング業として小売業を発展させるためのキーとなると、改めて実感しました。店舗デジタルサイネージ等もありますが、まずは、ネットスーパー事業で、メディアとしての価値をマネタイズする事が、デジタルマーケティングの最重要ポイントだと感じました。

最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。

次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加いただき、ありがとうございました。