大久保恒夫 メッセージ
お客様は物を十分に持っている。その時に自分が欲しい商品でなければ、買いたいとは思わない。商品を買う方法が多様化し、いろいろな場所で、いろいろな買い方をしている。即食簡便や買い物時間の短縮、おいしさ、健康へのニーズ、買い物を楽しくしたいというニーズもある。売場をお客様のニーズに対応するには、個店別、曜日別、時間帯別に対応すべきであるが、それができていないので、売上が上がらなくなってきている。さらに、アマゾンなどのネットショッピングが拡大してきた。店舗売上が下がりそうな環境になってきたが、どうしたらいいのか、分からくなっているのが現状ではないだろうか。
そんな厳しい環境の中で、人手不足も大きな問題になってきた。人員人手採用を増やそうとして時給を上げても、採用は難しくなっている。最低賃金や社会保障など人件費が上がる要因は目白押しであり、人件費が上がり、利益が出なくなってきた。
利益を確保しようと、粗利率を上げようとしても、本格的な改革ができないから少ししか粗利率は上がらないし、継続的に上げることができない。
小売業はお客様ニーズ対応業であり、時代変化によりお客様のニーズは変化するから、時代変化対応業でもある。時代は大きく変わり、お客様のニーズが変化してきている。変化に対応しなくてはならない。しかし、現状の小売業の変化への対応は不十分である。大変なことになりそうだからと、縮小均衡に向かっている企業も多い。
私が中心となり、小売・流通業についての先進具体例を定期的に研究する研究会を立ち上げる。小売・流通業界変化の方向をしっかり見据え、根本的、長期的な対応策を考えることが必要である。それができれば、小売業の飛躍のチャンスである。時代変化に対応し、小売業が発展することを願っている。
大久保恒夫 経歴
1979年 3月 | 早稲田大学 法学部 卒業 |
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1979年 4月 | 株式会社イトーヨーカ堂 入社 藤沢店、茅ヶ崎店にてダイニング家庭用品、日用雑貨売場チーフを担当後、本部経営政策室経営開発部担当 |
1989年 4月 | プライスウォーターハウスコンサルティング株式会社 入社 シニアコンサルタントとしてコンサルティング業務を行う |
1989年 11月 | 財団法人流通経済研究所 入所 研究員としてISM(インストアマーチャンダイジング)を中心とする会員制プロジェクトの研究を行う |
1990年 9月 | 株式会社リテイルサイエンス設立 代表取締役社長 就任 小売業(ファーストリテイリング・良品計画等)の経営改革のコンサルティングを行う |
2003年 9月 | 株式会社ドラッグイレブン 代表取締役社長 就任 経営危機であったドラッグイレブンの企業再生を行い、業績を急激に回復させる |
2007年 1月 | 株式会社成城石井 代表取締役社長 就任 業績が停滞していた成城石井の経営改革を行い、業績を飛躍的に上げる |
2011年 5月 | セブン&アイ・フードシステムズ 代表取締役社長 就任 創業以来赤字だった業績を黒字体質に変革する |
2011年 5月 | セブン&アイ・ホールディングス 取締役 就任 |
2013年 5月 | セブン&アイ・ホールディングス 常務執行役員 就任 |
2017年 4月 | インテグラル株式会社 顧問 就任 |
2017年 6月 | 株式会社リテイルサイエンス 代表取締役会長 就任 |
2018年 4月 | 株式会社リテイルサイエンス 代表取締役社長 就任 |
2021年 3月 | 合同会社西友 社長 兼 最高経営責任者(CEO) 就任 |
事務局
・荻原明子(株式会社リテイルサイエンス)
・大亀智裕(株式会社リテイルサイエンス)
・松下友紀(株式会社リテイルサイエンス)