5/15「利益改善の秘訣」ウェビナー開催報告

みなさま、こんにちは。先日開催しましたAI流通革命3.0研究会ウェビナー「利益改善の秘訣」についてご報告させていただきます。

最初に、「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。

続いて、「ネットスーパー プラットフォーマー大集合!」と題し、株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫、株式会社10X取締役CGO橋原正明様、楽天グループ株式会社スーパーマーケットOMO/DX事業大井英之様、スーパーサンシ株式会社専務取締役NetMarket事業本部長高倉照和様との対談が行われました。スーパーサンシ様は、日本全国でネットスーパーのFC展開を進めており、効率的なシステムを構築。サブスクリプションモデルを導入され、特に物流の効率性を重視されています。10X様は、顧客向けのデジタル購買体験を提供し、エンジニア集団として高評価のアプリケーションを開発。データ活用を強みとされ、需要と供給の最適化を目指されています。楽天グループ様は、楽天の会員基盤とビッグデータを活用して、集客と売上向上を支援。ネットスーパー市場の成長を目指し、地域の小売事業者をエンパワメントすることを掲げられています。これら三社三様のプラットフォームの特色をベースに、大久保と、販促やリテンション、粗利率改善や配送効率アップについて、熱く意見交換をしました。各社より、事例と蓄積された知見、具体的な実績数字をご提供頂き、参加者様の情報の棚卸し、選択肢の整理に、お役立ていただけたのではと思います。対談の最後に、大久保からプラットフォーマー様へ、今後の日本のネットスーパー業界を支える代表として、これからも力を合わせ、業界の発展に努めたいと、お伝えさせていただきました。

次に、「データから価値へ~生成AI活用を考える~」と題し、株式会社リテイルサイエンス ゼネラルソリューショングループリーダー荻原明子よりお話をさせていただきました。現在、生成AI(GPT)の技術と応用は世界中で急速に広まっており、その成長速度が注目されています。小売業界では、イオンやウォルマートなどの企業が、生成AIを活用して業務効率化や顧客体験の向上を図っており、その具体的な事例をご紹介いたしました。今後、ますます多くの分野で活用されることが期待されており、注目すべき分野についてお話しました。しかし、生成AIの活用には正確な学習データによる精度向上や、プロンプトの工夫などが求められるため、適用したい業務(課題)を特定し、アウトプットを引き出す、という工程を、リテイルサイエンスでご支援させていただければと思います。

休憩を挟んで、「「年収の壁」問題と、その対策による利益向上策」と題し、HRソリューションズ株式会社 取締役 兼 執行役員副社長 大藪貴之様にお話しいただきました。現在、年収の壁により、多くの人々が労働時間を制限している状態を、具体的な数字を用いてご説明いただきました。例えば、年収100万円以下で働く人々が増えており、時給が上がっても実際の年収は増えていない状況であること、また、パートタイムの労働者の6割が年収の壁を超えたくないと回答していることなどが分かりました。さらに、壁がなくなれば、時給の高い仕事に転職したいという声も多くあり、年収の壁を取り払うことで、給与増加や税収増加、GDPの経済効果が期待されます。野村総合研究所による資料によれば、人手不足も解消される可能性があるそうです。企業はこの問題をどのように捉え、チャンスとして活用するか、あるいはこのピンチをどう対処するかを考える必要があり、小売業界特有の事例と、課題解決策について、じっくり内容を確認させていただきました。

その後、「利益改善の秘訣の総括」について大久保よりお話させていただきました。食品スーパーの営業利益が低い現状に触れ、業界全体の社会的評価を高めるためにも営業利益の向上が重要であると強調しました。旧来の、チラシを打って特売する、という売上重視の特売構造では、いつまでたっても利益率は上がりません。変動費ビジネスであることを十分に理解し、利益構造を革新する必要があります。また、利益を上げるためには、顧客に価値を提供することが必要であり、単に商品を並べるだけではなく、顧客のニーズに対応した価値創造が求められます。例えば、美味しくて手軽に調理できる商品や、デパ地下のような高品質な商品を効率的な流通で安価に提供することが挙げられます。商品力と販売力を強化するには、データ活用が欠かせません。AI技術を用いたデジタルマーケティングや効率的な物流の実現により、利益構造の革新が実現可能になりました。今後もデータ活用を推進し、教育や情報システムの強化に注力することを目指すことをお伝えしました。

以上ウェビナー終了後、意見交換会を実施しました。これまで参加者様からいただいたアンケートを元に、Zoomの投票機能で興味のあるテーマを募集し、投票の多かった「生成AI」や「人材の育成(数字に強い人間)」、「データ分析(顧客の離反や定着など)」について、大久保からお話をしました。また、参加者様から直接、質問やチャットでメッセージをいただき、ライブでお答えさせていただきました。ご送信いただきました皆様ありがとうございました。

最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。

次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加いただき、ありがとうございました。