1/17「商品開発・ネットスーパー」ウェビナー開催報告

みなさま、こんにちは。先日開催しましたAI流通革命3.0研究会ウェビナー「商品開発・ネットスーパー」についてご報告させていただきます。

最初に、「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。

続いて、「ネットスーパーの黒字化とOMO」と題し、大久保よりお話させていただきました。まず、コンビニニーズ=「便利だから利用する」に事業コンセプトを置く重要性を改めて強調しました。「便利」になった分の受益は、受益者、つまり利用者に負担して頂く受益者負担について説明しました。続けて、ディスカウントのチラシ、例えば利用料1000円オフクーポンはその後の利用定着率は著しく低く、先述の事業コンセプトからも外れており、ほとんど意味をなさないことが実証されました。今後リアルの売上は減少し、ネットの売上は拡大する中、店舗資産と店舗ロイヤリティーを有効活用し、OMOの相乗効果を高める必要があります。その際、会計上フルロード経費負担の考え方が重要であることをお伝えしました。ネットスーパーの経費(人件費、家賃、設備利用料、システム費、本部費)を、全コスト負担した営業利益率を計算するのです。ネットスーパーの営業利益率は、リアルの店舗より高くないとOMO により営業利益率が下がります。フルロードPL(ネットスーパーが全コストを負担した損益計算書)で、事業全体の損益構造をOMO視点で俯瞰する必要があります。最後に、具体的なPL構造と生産性指標を、ウェビナー内で明らかにしました。

次に、「PBブランド「美味安心」開発の秘話」と題し、株式会社いちやまマート 代表取締役社長 三科雅嗣様にお話いただきました。三科社長ご自身の強い原体験から、食品添加物無添加、タール系着色料の撤廃を掲げ、当初社内での徹底の為、あえて新聞広告で告知したエピソードは大変印象的でした。強い理念と意志の元、開発された商品は現在80社以上とのお取引があり、ブラッシュアップを続け、大変美味しく、「岩盤層」と言われるとても根強いファンからの支持により、高い利益率を維持されています。売り方としては、①定番、②エンド、③レジ前のコーナー化を実施した上、生鮮や日配との料理提案が、一番評判がいいこともお話下さいました。また、ポップも重要で、現在は本部にポップ室があり、美大出身の2名の社員の方が専任で、店舗全体のポップを作成しているとの事でした。さらに、開発と販促の中で、メーカーからスーパーへの試食会はもちろん、お客様100名や従業員120-130名を招いた大規模な試食会も実施しているとの事でした。実際に食べてみるのとみないのとでは全然違い、実際に美味しいと印象が強く変わるため、商品開発には欠かせない手段であると感じました。

休憩を挟んで、「消費、流通の変化とプライベートブランド」と題し、公益財団法人 流通経済研究所 理事 根本 重之様にお話しいただきました。冒頭の「流研長期予測2023再検討:食品小売市場規模の推移と予測」では、総人口の減少はもちろん、特に75 歳以上の施設・病院等への入所・入院者が増加し、2020年の国勢調査では10.6%で、「75歳以上の10%が食品小売市場からいなくなる」という根本様の補足が、非常にショッキングで印象的でした。「インフレが常態化する状況を考えてみる…インフレ・スパイラル」の項では、2%長期インフレ、1%長期インフレ、0%長期インフレの3つのシナリオを、原予測(実質)と元に確認しました。リージョン別のシナリオでは、地域によってかなり異なる市場環境になることが分かりました。「足元の物価上昇下での食品小売業の売上の状況」では、23年4月-9月平均の消費者物価指数と、消費支出名目増減率と、SMの既存店売上高から、小売店の評価が明示され、非常に興味深い結果でした。そのような社会的背景を念頭に置いた上、「日本の食品分野のPB、オリジナル商品の進化」についてご説明下さいました。伝統的なPBの小売業自身にとってのリスクも示唆され、このような市場環境やリスクの中で、どういった施策が有効か、注目のPB、商品開発についても挙げて下さいました。

その後、「商品開発・ネットスーパーの総括」と題して、大久保よりお話をさせていただきました。

ウェビナー終了後、意見交換会を実施しました。これまで参加者様からいただいたアンケートを元に、Zoomの投票機能で興味のあるテーマを募集し、投票の多かった「小売業本部の業務改善」や「小売業に特化した人材教育」について、大久保からお話をしました。また、参加者様から直接、質問やチャットでメッセージをいただき、ライブでお答えさせていただきました。ご送信いただきました皆様ありがとうございました。

最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。

次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加いただき、ありがとうございました。