8/9「ネットスーパーのリアル」ウェビナー開催報告

みなさま、こんにちは。本日開催しましたネットスーパー実行研究会ウェビナー「ネットスーパーのリアル」についてご報告させていただきます。

まず最初に「今日の研究会のポイント」について株式会社リテイルサイエンスファウンダー大久保恒夫よりお話をさせていただきました。

そして、特別対談「ネットスーパーのリアル」では、大久保と、スーパーサンシ株式会社の専務取締役 NetMarket事業本部長 高倉照和様にお話しいただきました。ネットスーパーで高単価(注文1件あたり5000円以上)を目指すと、お客様の購買頻度が1ヶ月に2-3回に下がり、米やビールなど粗利率の低い米やビールなどの購入に留まる上、利用自体を忘れられるという悪循環が生まれるという示唆がありました。お客様のネットスーパーの利用の習慣をキープし、粗利率の高い生鮮や惣菜の購入や、購買のモチベーション維持するためにも、サブスクリプション型は有効だとのお話でした。また、ネットスーパーでは、小商圏で高密度を目指す戦略が重要であり、1人あたりの月額の購買額を高めることがポイントになるとの事でした。1人当たりの月額購買額平均25000円から30000円を実現できれば、ピッキングや配送、片付け等の変動費事業であるネットスーパーでも、高粗利を確保できるとの事でした。また、宅配は固定客化するため、リアル店舗で近隣に競合店舗が出店しても、びくとも影響しないという利点も実証されたそうです。さらに、作業スペースやロッカー配置、ドライバーの出社時間の柔軟化等、具体的な数値を交えた効率アップ策もお話いただきました。地域の市場シェアを取る上で、目指すべき月商、シェアのパーセンテージも明示くださいました。また販促方法やアプリ活用についても、非常に具体的な知見を共有いただき、大変学びの多い時間となりました。

休憩を挟んで、「最新ネットスーパートレンド」と題し、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集長の阿部幸治様にお話しいただきました。最新の消費者アンケート結果や、話題のグリーンビーンズのカスタマーフルフィルメントセンター見学のご報告、土日に営業しないネットスーパーについてお話しいただきました。ネットスーパー市場のさらなる拡大の可能性と、それに向けた各企業の取り組みがとても参考になりました。

続いて、「ヨーロッパのネットスーパー最新事情(11)~レーヴェのテクノロジー活用術~」と題し、リテイルライター太田美和子様よりお話しいただきました。欧州国別の食品ECの現状について、マッキンゼーの予測を共有いただきました。現状にいち早く対応した企業の取り組みを知る事ができました。

そして、「米国食品小売業界の最前線レポート」と題し、リテールストラテジスト 平山幸江様よりお話しいただきました。米国商務省プレスリリースの共有と、ネットスーパーの最新トレンドをご紹介いただきました。また、低価格に加えサステナブルな企業イメージを向上させることで、米国市場シェアを拡大した例など、各社特徴のある戦略や業態を、実際の写真や商圏状況などとともに詳細にご紹介いただき、大変参考になりました。

その後、「ネットスーパーのリアルの総括」と題して、大久保よりお話をさせていただきました。コロナが理由でネットスーパーを利用した顧客は離れたものの、底を打ち、再び増加傾向にあります。ネットスーパー市場は今後も拡大が見込まれますが、リアル店舗と同等以上の営業利益率がなければ拡大する価値はないものと考えられます。人口減少と高齢化により、リアルの店舗の売上は減少傾向にあります。リアルの店舗の資産を活用できるよう、ネットスーパーと両輪でOMO戦略を進める必要があります。ネットスーパーは、システム化、アプリの強化、データ活用、リテイルメディア等、リアルの店舗よりアプローチしやすい部分も多くあり、発展の可能性はまだまだ大いにあると感じられました。早めのスモールスタートで黒字化を進めることが重要だと、再認識することができました。

最後に、お知らせをして閉会とさせていただきました。

次回もまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。
ご参加頂き、ありがとうございました。