みなさま、こんにちは。2025年12月10日に開催しましたネットスーパー実行研究会ウェビナーについてご報告します。
冒頭に、株式会社リテイルサイエンス 取締役会長 大久保恒夫より「今日の研究会のポイント」をお話ししました。引き続き、大久保より「ネットスーパー成功の本質」と題し、講演を行いました。ネットスーパーの顧客ニーズはリアル店舗とは異なり、「忙しくても確実に商品が届く利便性」に価値を見出す層が中心であること、そのニーズに対応するためには、安売りではなく粗利率を高めた商品構成と価格設計が不可欠であることを説明しました。また、ネットスーパーは社会貢献ではなく事業であり、リアル店舗よりも高い営業利益率を目指すべきであると強調しました。OMOの考え方のもと、店舗在庫・設備・人員を活用し、リアルとネットを一体で成長させる重要性が示されました。
次に、CBcloud株式会社 事業推進本部 マネージャー 千野修郎様より、「【導入事例から学ぶ】流通小売り事業を急成長させる、これからの配送パートナー戦略」と題してご講演いただきました。配送はネットスーパーの収益性を左右する重要要素であり、自社配送・個人事業主・外部委託を組み合わせた柔軟な体制構築が不可欠であること、配送品質と効率の両立が顧客満足と利益確保につながる点が、具体的な導入事例とともに紹介されました。
休憩を挟み、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集長 雪元史章様より、「ネットスーパー最新動向」として、国内ネットスーパーを巡る直近の動きをご共有いただきました。各社の事業拡大・撤退・出荷モデル転換などを通じ、ネットスーパー事業が量的拡大から収益性重視のフェーズに移行していることが示され、今後は事業モデルの選択と集中がより重要になるとの見解が示されました。
その後、RTK-Design Consultant 片山隆様より、「海外ローコストMFCの実例のご紹介 TESCO.comによるMFCの運用」と題し、英国におけるMFC(マイクロ・フルフィルメント・センター)の実例をご紹介いただきました。TESCO.comでは、出荷量・商品単価・稼働率を前提に、設備投資と運用効率のバランスを取りながらMFCを活用しており、日本においても条件を見極めたうえでの導入検討が必要であることが示されました。
続いて、リテールストラテジスト 平山幸江様より、「米国食品小売業界の最前線レポート」をご講演いただきました。米国ではネットとリアルの融合がさらに進み、配送効率、顧客体験、データ活用を前提とした事業設計が主流となっている点が紹介され、日本のネットスーパー事業にとっても示唆に富む内容となりました。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。 次回もまた皆さまにお会いできますことを楽しみにしております。

